基本的に学生が多い職場でしたが、皆いい人ばかりで年齢を問わず冗談を言いながら楽しく仕事をしていました。その中で、現場責任者として社員さんも一緒に働いていたのですが、その方はアルバイトとは違い、通常の接客業務やキッチン業務に加え、売り上げの管理などもしなければならないため毎日とても忙しくされていました。私は他のアルバイトの子達よりもその社員さんと年齢が近かったこともあり、なんとなく話が弾み、気づけば2人でご飯に行くような間柄になりました。その社員さんは飴と鞭の使い方が上手く、アルバイトの皆からも慕われ、恋心を抱く子も現れる程でした。そんな彼と仲良くなれた自分に少し優越感を感じ、どんどん一緒に過ごす時間が増えていきました。そしてある時、一緒にご飯を食べに行った際に「付き合ってほしい」と告白をされました。とても嬉しく思いましたが、私は既婚者ですし面倒なことは避けたいと思い丁重にお断りしました。と同時に、告白をされたことによって一気に冷めてしまった自分が居ました。結婚してからときめきを感じるような事が無くなり、久しぶりに体験した恋の駆け引きのような雰囲気が楽しかっただけなのかなと冷静に思いました。それ以来私はお店をやめ、彼の連絡先も削除しました。一時的なものでしたが、ふわふわとした甘い思い出として今では自分の胸の中にだけしまっています。